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お知らせ 2026.07.17 更新

Alibre Design V29 が Windows 11 の更新後に起動できない — Smart App Control による誤ブロックの見分け方と対処法

Windows 11 の更新プログラム適用後に、Alibre Design V29 が起動時に以下のようなエラーで停止する事例が確認されています。

  • 「セットアップ処理中にエラーが発生しました。……HRESULT からの例外:0x800711C7
  • 「Alibre Design.exe — 正しくないイメージ / エラー状態 0xc0e90002

いずれも Alibre 本体や DLL の破損ではなく、Windows 11 に搭載されているセキュリティ機能「Smart App Control(スマート アプリ コントロール、以下 SAC)」または「アプリケーション制御ポリシー」が、Alibre 側の正規署名済みファイルを誤ってブロックしていることが原因です。

本記事では、症状の見分け方と、セキュリティを可能な限り維持したまま解消するための手順をご紹介します。


1. 症状

Alibre Design V29 を起動しようとすると、以下 2 つのダイアログが順に表示され、そのまま起動できません。

ダイアログ①:セットアップ処理中エラー(0x800711C7)

呼び出し元は Alibre の DirectX ジオメトリ描画コンポーネント(com.alibre.ui.directX.GeometryContext)です。

ダイアログ②:Alibre Design.exe — 正しくないイメージ(0xc0e90002)

ACISUtils_x64.dll は、Alibre Design が内部で利用しているジオメトリ カーネル(Spatial 社 ACIS)関連の DLL です。


2. 原因:Smart App Control による正規ファイルの誤ブロック

上記 2 つのエラー コードは、いずれも Windows のアプリケーション制御機構が、実行時にファイルの読み込みを拒否したときに現れる代表的なものです。

エラーコード 意味
HRESULT 0x800711C7 「アプリケーション制御ポリシーによってこのファイルがブロックされました」の公式コード。Smart App Control / Windows Defender Application Control(WDAC)が原因の第一候補。
エラー状態 0xc0e90002 署名済み DLL に対して発生する「Bad Image」。Windows のコード整合性チェックが DLL の読み込みを拒否したときに発生する典型的なコード。

Alibre Design V29 の実行ファイル・DLL には 正規のコード署名が施されていますが、Smart App Control は署名の有無だけでなく、Microsoft クラウド上に蓄積された「レピュテーション(評判)情報」も判定材料としています

そのため、比較的リリース時期が新しい V29 のバイナリでは、レピュテーションがまだ十分に蓄積されていないケースがあり、 「Windows 11 の更新でセキュリティ機構が強化される」→「レピュテーションが不足している署名済み DLL が誤ってブロックされる」 という流れで、今回の症状が突然発生します。

これは Alibre Design に限らず、CAD / エンジニアリング系のニッチな業務用ソフト、あるいは新バージョンの独立系開発元の署名済みアプリで比較的よく報告されている、SAC の既知の誤検知パターンです。


3. 対処方法(上から順にお試しください)

Smart App Control をいきなり無効化するのは推奨いたしません。 以下 ①〜③ で解消するケースが多いため、順番にお試しください。

① 保護の履歴から個別に「デバイスで許可」

もっとも安全で、SAC を有効に保ったまま解消できる可能性がある方法です。

  1. スタートメニューから「Windows セキュリティ」 を開く
  2. 「ウイルスと脅威の防止」 をクリック
  3. 「保護の履歴」 を開く
  4. 一覧の中から Alibre 関連の項目(Alibre Design.exe, ACISUtils_x64.dll など)を選択
  5. 「操作」→「デバイスで許可」 を選ぶ
  6. PC を再起動して Alibre Design を起動

② Windows Update をすべて適用する

Smart App Control の誤検知は、Microsoft 側のクラウド情報や Windows 側のパッチ適用で解消するケースが多いです。

  1. 設定Windows Update
  2. 「更新プログラムのチェック」 で全ての更新を適用
  3. 再起動後、Alibre Design の動作をご確認

③ ブロックされているファイルを正確に特定する(サポート向け情報)

より確実に原因を切り分けたい場合は、イベント ビューアーで SAC / コード整合性のブロック ログを直接ご確認いただけます。

  • イベント ビューアー「アプリケーションとサービス ログ」MicrosoftWindowsCodeIntegrityOperational
  • 参照するイベント ID:
    • 3076:ブロックされた(監査モード)
    • 3077:ブロックされた(強制モード)

該当イベントに、ブロックされた具体的なファイル パスと理由が記録されます。弊社サポートへお問い合わせいただく際、このスクリーンショットを添付いただけますと切り分けがスムーズです。

④ 最終手段:Smart App Control を「オフ」にする

①〜③ で解消しない場合の最終手段として、以下の手順で SAC を無効化できます。

  1. Windows セキュリティ「アプリとブラウザーの制御」
  2. 「Smart App Control の設定」
  3. 「オフ」 に変更 → 再起動

⚠ 重要な注意事項

Smart App Control は仕様上、一度「オフ」にすると、Windows を再インストール(クリーン インストール)するまで、二度と「オン」に戻すことはできません。これは Microsoft の設計によるものです。

なお、SAC をオフにしても Windows Defender(ウイルス対策本体)と SmartScreen は引き続き有効なため、保護がまったくなくなるわけではありません。ただし、セキュリティ姿勢が恒久的に一段下がる変更であることをご理解のうえ、慎重にご判断ください。


4. 企業 IT 部門で管理された PC の場合の追加確認事項

社内 IT 部門で PC が集中管理されている場合、Smart App Control ではなく、Windows Defender Application Control (WDAC)、AppLocker、Intune 経由の実行制御ポリシーが原因となっているケースもあります。この場合、エンド ユーザー側では設定変更ができません。

  • Windows セキュリティで Smart App Control の設定項目がグレー アウトされている
  • 「アプリケーション制御ポリシー」の文言が表示されるが、SAC の履歴には何も出ない

このような場合は、社内 IT 管理部門へ Alibre Design の実行ファイル フォルダ(既定:C:\Program Files\Alibre Design 29.0.x.xxxxx\の許可ポリシー追加をご依頼ください


5. 開発元との連携状況

弊社(株式会社データデザイン)では、本事象を Alibre 本社に報告済みです。CLSID・該当 DLL 名・HRESULT の詳細を添えて、恒久対応(Microsoft への署名レピュテーション改善申請等)を依頼しております。進展があり次第、改めて本サイトでご案内いたします。


6. まとめ

  • Windows 11 の更新後に発生する Alibre Design V29 の 0x800711C7 / 0xc0e90002 エラーは、Smart App Control によるレピュテーション不足を理由とした誤ブロックの可能性が高い症状です。
  • まずは ① 保護の履歴から個別許可② Windows Update 適用 の順にお試しください。
  • Smart App Control の 無効化は最終手段です。一度オフにすると Windows 再インストールなしには再び有効化できませんので、慎重にご判断ください。
  • 企業 PC の場合は、SAC ではなく社内配布ポリシーが原因のこともあります。IT 管理部門との連携をお願いいたします。

お困りの際は弊社サポートまで

上記手順でも解消しない場合、あるいは実行ファイルの許可設定について社内 IT 部門への説明資料が必要な場合は、弊社サポート窓口 https://3ds.zendesk.com/ までお気軽にお問い合わせください。

正常に動作しない場合はお手数ですが下記フォームの情報をまでメールにて送信ください。